放置竹林問題も解消する竹あかり演出家/池田親生・三城賢士|使用後の竹はどうするの?【情熱大陸】

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かぐや姫なんて物語がある日本の文化に深くから根ざしてきた竹。

春は美味しい筍料理に。

成長したらしなやかで折れにくい性質を生かし籠や箸、建築資材に使われます。

しかし一方で、放置竹林が問題になっている現代。
山の仕事をする人口が減っていることでの、間引きや病気などで自然に倒れた竹の片付けが出来ていないのが現状です。
高い繁殖力をもつ竹が森林を枯らす「竹害」や「土砂崩れ」を引き起こす原因になることもあります。

池田親さん、三城賢士さんは、日本各地に放置された竹を集め「あかり」の命を吹き込む竹あかり演出家です。

竹あかりとは?
放置された竹を集め、イベントに使用後の竹はどうなる?
放置竹林問題とは?
を調べてみました。

【竹あかり演出家】
池田親生(1982年6月21日、福岡・筑後市生まれ)
三城賢士(1982年11月30日、熊本・阿蘇市生まれ)
崇城大学にて出会う。
池田親生(ちか)と三城賢士(けん)と呼び合う。
20年前、2人の名前を冠し、竹あかり演出ユニットCHIKAKENを立ち上げる。
熊本を拠点に、竹に穴を開けてあかり(ろうそくやLED)を灯す「竹あかり」を、全国各地で灯す。

Yahoo!テレビガイドより
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なぜ竹あかりなのか?

今年の『G7広島サミット』は、波や雲、柳…命を吹き込まれた「竹」に浮かび上がる「あかり」で幻想的な演出で彩られました。

その土地にしかない“風景”と“物語”を活かし、「人と人・人とまち・人と自然」を繋ぐを「竹あかり」による空間演出。

オリジナルのデザインで穴を開け、ロウソクやLEDで光を灯します。

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熊本県崇城大学建築学科で共に師事した内丸惠一先生の提唱する「まつり型まちづくり」をベースに、竹に穴を開けてあかり(ろうそくやLED)を灯す「竹あかり」の演出制作・プロデュース会社「CHIKAKEN〈ちかけん〉」を、2007年4月に設立しました。
現在5名で活動されています。

大分県の「うすき竹宵(たけよい)」という『地域に繁殖した竹をどうにかしたい』という想いからはじまった竹を使ったおまつりがあるそうです。

彼らが大学生の当時はまだ竹をななめに切って門松のように飾っていただけだったものに、デザインを施し、「竹あかり」という芸術的価値を加えていくことでより多くの人の集まるまつりになっていったということです。

竹の問題解決をお祭りという楽しいイベントで解消しようとしたんですね。

「建築が建物を建てるだけの時代は終わる。これからは「まつり型まちづくり」の時代だ」

という内丸先生の思想を強く受け継いだ二人。
「竹あかり」に関わり学んだことは、
“より多くの人を巻き込む「まつり」をつくりあげるためには、その芸術的価値そのものを高めることが必要がある”


熊本を拠点に全国各地で「竹あかり」を灯し、その土地にしかない“風景”と“物語”を創りつづけていらっしゃいます。

「人と人・人とまち・人と自然」を繋ぐ「竹あかり」が一過性の「事業」として消費されるのではなく、新たな日本の「文化」として受け継がれることを目指しているそうです。

『G7広島サミット』は海外メディアが連日中継を行うなど世界に『竹あかり』の魅力が広まっているそうですよ。

かぐや姫がどこかに潜んでいるかも!

竹は短いと硬く、長いとしなやかだから、さまざまな形に変形できますね。
竹の硬い表面を切り取るって高度な技術が必要そうです。
細かい切り絵などもこなす日本人は、カットするという作業が得意なのかも知れません。

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イベント使用後の竹はどうするの?

イベントで使用したあかりの役割を終えた竹は、竹炭や竹堆肥にし、自然に還します。

そして竹炭などに加工し再利用します。
この取り組みが評価され、『G7広島サミット2023』で採用されたそうです。

竹堆肥は、竹の粉を乳酸発酵し畑・水田の特殊肥料・土壌改良材として最も有効だそうです。
また、栄養成分分析をすると、アミノ酸が多く、食物繊維豊富で、食用としての活用も重要な課題だそうです。

コオロギパウダーのように、竹パウダーでパンケーキを作る時代が近々に来そうですね。

宮城県では3m未満の竹はメンマに加工されています。
さらに、畑に混ぜると土壌改良に役立つ竹チップ竹炭なども作られています。

日本各地で対策はとられており、薩摩川内市はたけのこの一大産地ですが、伐採した竹を、地元の製紙工場で「竹紙」を開発。
およそ10年前に生産を始めました。
ノートや折り紙などにしており、処分に困っていた竹が地域に年間数億円をもたらしているそうです。

農業用肥料を取扱う金沢市の工場では、2020年より放置竹林を伐採し炭化装置を活用して炭化することで、農業用土壌改良剤として再利用しています。

竹は日本全国に広がっていますし、みんなどの県も問題になっているのですね。
この県特有の企業による、竹を使った商品開発は面白いですね。

冒頭に書いたように、竹藪に入ったお爺さんが光り輝く竹から可愛い女の子を得る『かぐや姫』の物語があるくらい、日本は竹にお世話になって来ているのだと思います。

食べるための竹、家の周りの柵や、塀に使う竹、戦の時には竹槍なんて、刀を持たない農民の駆り出された兵士が武器として作りました。
筍の皮はおにぎりを包んだのが、最初のお弁当包みですよね。
硬い節を利用して、コップにも水筒にも、花瓶にもなります。

竹で編んだカゴは、バッグにも物入れにも。

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放置竹林問題とは?

日本は古来より筍を採るために民家の庭に植えられた竹が、その成長速度のために周囲の植生に無秩序に侵入して、高齢化や人口減により間伐などの管理がされなくなり、放置されている状態の竹林を言います。

竹は繁殖能力も高く、背が高く、しなやかに風に揺られる竹は、根が広くしっかり張ることから、竹林のある平らな土地は地震に強いとも言われています。

しかし、竹林には、森林と異なる大きな特徴があります。
それは、根を浅くはるという特徴です。

木は根を深くはるため、雨が降っても土をしっかりと支えますが、竹の根は横に広がり、深さは30cmほどしかありません。そのため、斜面に生えていると雨が降ると竹林ごと斜面を滑り落ちる危険があるそうです。

放置竹林の竹の根は周囲へ侵出し、そこに生育する樹木の健全な成長をも阻害します。 多くの植物は竹より背が低いために陽光を遮られ、やがて枯死していくのです。

また、人の管理がされないことにより、シカやイノシシの野生鳥獣の絶好の住処となってしまうことで、畑や耕作地を荒らし、農作物に甚大な被害を及ぼしています。

安価な輸入筍が入って来たことも原因の一つですね。

輸入物は安価とはいえ、やはり日本の筍は朝取れ筍が手に入りますし、とれたての柔らかさは最高です。

筍を綺麗に掃除して、簡単に調理できる茹で上がった商品があることも、初めの処理が面倒な筍料理を億劫に思う人が増えたこともあるかも知れません。

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まとめ

使命を終えた竹は、竹炭や肥料などに再生していることがわかりました。
竹林問題は、高齢化や人口減により間伐などの管理がされなくなり、放置されている状態の竹林のこと。
安価な筍が輸入されることで、国産筍が売れない、また竹の繁殖が早いために周囲への広がり背の低い木が日光を遮られ育たない。
野生鳥獣の絶好の住処となり、畑に食い荒らしの被害が出る。
その取り組みの一環で始まった竹あかりという芸術。

池田親生さん三城賢士さんの演出家2人に台湾の世界的アーティストとのコラボレーション、熊本城のライトアップ、そしてフランス・エクサン=プロヴァンスの庭園を竹あかりで演出するプロジェクトへと芸術として広がっているそうです。

SDGsな光の芸術は世界に広がっていくようで楽しみですね!

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