車いすテニスの小田凱人（おだ・ときと）選手。
凱人（ときと）というお名前が珍しいですよね。
凱旋門の凱旋から取られたという名前の通りの勝利を挙げていらっしゃいます。
勝利からの凱旋（がいせん）を意味している「凱」は戦いに勝った時奏する音楽、転じてかちどき、「旋」は帰ること、 勝利を祝う歌をうたって帰ること。
コトバンクより
戦いに勝って帰ること。
勝利した瞬間からコートを降りるまでの道のりは、小田選手の頭の中には
勝利の音楽が高らかに鳴り響いているのでしょうか？
音楽が流れているとすれば、どんな音が流れているのか知りたいですね。
そして車椅子での勝利に加えて、成長するごとにかっこ良くなっていくお顔に注目
している人も多いのではないでしょうか？
その小田選手はなぜ車椅子の生活になったのでしょうか？
なぜ車椅子に？
9歳の時に骨にできる悪性腫瘍、骨肉腫を発症し、左足の自由を失ったそうです。
左足の股関節と大腿骨の一部を切除。
人工関節にする必要がありました。
人工関節を取り付けるために「左の腹直筋を太ももに移植する」という大手術
を受けたという事です。
腹直筋を移植して左半身を支える筋肉がなくなった結果、杖を使って歩くことは
できるようになったけど左脚には後遺症が残ることになり、リハビリ後も普通に
歩くことはできなくなったようです。
そのため、車椅子の生活になったそうです。
当時打ち込んでいたサッカーは、あきらめざるを得ませんでした。
小田選手の子供時代はサッカー選手に憧れる子供が多かったと思います。
小学校内のサッカーチームも、地域にある公式プロチームが運営する小学生版チームも
数多くあり、プロと同じユニフォームを着ているサッカー少年をよく見かけますよね。
手術した後がめちゃくちゃ痛くて、1〜2ヶ月毎日泣いて言いたそうです。
９歳という年齢では、病気の内容もこれからどうなるのか？など考える
余裕もなく、ただただ痛みと戦う毎日と痛みが襲う不安の毎日だったと
思います。
身体の中に人工のものを埋め込むって大人でも耐え難い痛みだと聞きます。
本人はもちろん、痛みとショックでなく息子を支えたご家族の想いを
考えると胸が詰まります。
骨肉腫はどんな病気？原因と治療とは？
骨肉腫は
骨に発生する悪性腫瘍（がん）の中で最も頻度の高い代表的ながん。
10歳代の思春期、中学生や高校生くらいの年齢に発生しやすい病気で、
約3割は40歳以上で発生するそうです。
日本国内でこの病気にかかる人は1年間に200人くらいで、がんの中では
非常にまれな部類です。
肉腫は血液の流れで運ばれて転移することが多く、骨肉腫が最も多く
転移する先は肺です。
診断時にすでに肺転移があっても、術前の薬物療法と肺の転移巣を
手術で切除することにより、20～30％の症例では治癒が期待できると言います。
成長期のこどもは、座っているより走っている方が多い活動的な1日ですし、成長ホルモン出まくりで進行も早いから、分かった時はステージが高くなっている場合が多いと聞きますね。
元気に走り回ってたら、病気の進行も気がつかないですよね。
発生要因は
骨肉腫の腫瘍細胞にはがん抑制遺伝子の一種である網膜芽細胞腫遺伝子
（RB1遺伝子）やTP53遺伝子の変異。
多くの患者は腫瘍が発生した遺伝的背景は明らかではなく、網膜芽細胞腫
に罹患した患者の二次がんとしての骨肉腫や、TP53遺伝子変異が原因の
遺伝性腫瘍であるLi-Fraumeni症候群（LFS: Li-Fraumeni syndrome）
の患者での発生が知られています。
その他、放射線治療後、骨梗塞（骨壊死）や線維性骨異形成（正常な骨が
線維組織や異常な骨組織によって置き換わってしまう疾患）等の良性骨病変
からの二次がんとして発生することもあります。
肺の次に多いのは同じ骨の中や、別の骨への転移です。
別の骨への遠隔転移、あるいは広範囲にわたる肺転移巣がある場合には
効果的な治療は難しいと考えられています。
骨🟰血液ですから、転移もしやすいんですね。
肉片を切除するのと骨を切除するのでは人間の身体のダメージも大きいと思います。
がん発症の原因は、確実な解明はまだ分かってはいませんが、お医者さん達は
『焦げたもの（特に魚の皮やトーストの焦げ）』『冷えた甘いもの』は食べない
っとテレビで言われていたことが頭に残っています。
小田選手もこれまで2度にわたり、がんが肺に転移。
今でも4カ月に1度の検査が欠かせないと言います。
症状は、
発生した部位の痛みと腫れが最初の症状です。
腫瘍が発生した骨の骨折（病的骨折）が生じる場合もあります。
また、まれに、骨盤や背骨に発生した場合は、表面から腫れが分かりにくいため、
診断がつくまでに大きくなっていたり、麻痺が出るまで気がつかなかったりする
こともあります。
がんは早期発見と言いますが、骨の中のがんを早期に発見するのは
不可能に近いと思います。
たまたまレントゲンを撮ったとしても、初期だったらお医者様達は
どんな方でも見つけてくれるのでしょうか？
小さい男の子の夢は、
サッカー選手
野球選手
アメフト選手
など運動系が圧倒的上位を占めています。
これから練習すれば、『なれるかも』っと思う気持ちを折られてしまうのですから
身体のみでなく、心のリハビリも必要です。
治療の幅は広いですね。
がんの治療は、切除等手術のみでなく心のリハビリが何より時間がかかります。
年齢が若ければ若いほどショックの大きさは計り知れないと多います。
ただ、子どもは大人と違い、知識が少ない分、「心を強く持てる、切り替える力」が
強いと言います。
周りの大人の寄り添い方は大切ですね。
小田選手もサッカーができなくなる悲しみから、テレビでパラリンピックの
映像を見たことで「こんな世界があるのだ！」と救われたそうです。
パラスポーツを勧めた主治医
スポーツ少年だからと、主治医に様々なパラスポーツを勧められる中で、
ある金メダリストに目を奪われたと言います。
「国枝慎吾選手のロンドンパラリンピックの決勝を見て、かっこいいなと思って」
10歳で車いすテニスを始めると、秘めていた才能がすぐに開花しました。
史上最年少の14歳11カ月でジュニアの世界ランキング1位に。
わずか3年でジュニアの世界一に輝くと、2021年に出場した12大会（ジュニア5大会、シニア7大会）すべてで優勝！世界を驚かせました。
「小田選手の恵まれた才能というか、自分のイメージしたことをすぐにプレーで表現できる。そしてアイデアがほかの選手よりも豊富にある。さらに精度を上げてきたときは圧倒的に国枝選手よりも上のレベルまで上がれるのではないかと感じています」
10歳から指導する貝吹健コーチ
そして今があるわけですが、あの時主治医が歩けなくなった、運動ができなく
なった少年にパラスポーツを勧めたことが何よりのきっかけではないでしょうか？
先生も、まさかパラリンピック選手と試合をするにまでいくとは思っていなかったかもしれません。
しかし、きっかけは主治医の先生だった！
お医者さんが生きる可能性はたくさんあることを知らせてくれた、そしてすごい選手を
発掘していたなんて、ちょっと感動しませんか？
立ったり数歩の歩行はできる
小田選手は「短い距離なら杖を利用して歩けるが、長い距離を移動する際
には車いすを利用している」とインタビューで語られています。
立つことも問題ないようで、インタビューや記事では立ったまま写真撮影
に応じている姿も見かけます。
「足を使わなすぎると弱ってしまう」との事で、人目につかないところで
はなるべく歩いたりしているそうです。
人工関節を取り付けるために「左の腹直筋を太ももに移植する」という大手術
を受けたという事です。
腹直筋を移植して左半身を支える筋肉がなくなった結果、杖を使って歩くことは
できるようになったが、左脚には後遺症が残ることになり、リハビリ後も普通に
歩くことはできなくなったようです。
駅や公園などで、車から降りてトランクから車椅子を出して自らが乗っている方や、車椅子に座っていた方がいきなり立ち上がって、車椅子の向きを変えてまた座るなんて
見たこともあり、「え？っほんとは立てるの？」と驚くことがあります。
自分の身長の高さで周りを見ることができるってとてもありがたいことです。
みんなが立っていて、自分は座った位置での風景はまた違いますよね。
まとめ
小田凱人選手は、パラテニスの選手です。
９歳に悪性腫瘍・骨肉腫になり人工関節を取り付けるために
「左の腹直筋を太ももに移植する」という大手術を受けました。
これまで2度にわたり、がんが肺に転移。
骨肉腫が再発する可能性は今もまだあるという状況で、3カ月に1回検診に
行って診てもらう生活だそうです。
10歳代の思春期、中学生や高校生くらいの年齢に発生しやすい病気です。
肉腫は血液の流れで運ばれて転移することが多く、骨肉腫が最も多く転移する先は肺。
遺伝的背景ははっきりしてなくて、網膜芽細胞腫に罹患した患者の二次がんとしての骨肉腫や、遺伝子変異が原因の遺伝性腫瘍であるLi-Fraumeni症候群の患者での
発生が知られています。
痛みとショックで毎日泣いてる少年にパラスポーツを勧めた主治医の先生により、目標のテニスを見つけた小田選手。
どうぞ奇跡が起きて健康体になられますように。
そして、光を見つける途中の子供達の目標であり続けて欲しいです。
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